ハイデガーの思惟の道 ~『存在と時間』に至る道、そこからの道

ハイデガーの思想を、『存在と時間』を中心に、読み解く試みです。『存在と時間』という著作に至るまでのハイデガーの思索の過程と、そこからの発展をひとつの「道」としてとらえ、その意義について考えてみたいと思っています。

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

第4回目 人生における最大の課題     ~死の問題とその解決~

―――――――――――――――――――――――――――――――――― ■「死」の問題が、哲学の動機 最近、若くして亡くなった女優のニュースが 巷を駆け巡っている。 その知らせに触発され、ここで取り上げている問題の 核心部分を、先取りの形で書き残しておこうと思う。 誰にとっても、自…

第3回目 現象学の基礎 ~自明性への問い・「地平」の概念~

■現象学の意義 ~「自由」という不自由からの脱却を目指して~ 前回、「私」という人間の「存在」を理解する道として、 ハイデガーが採用したのが「現象学」であると言った。 この現象学について、もう一つ、補足しておきたい。 「人間は、自由の刑に処せら…